最近、「じゃあ写真撮っときな」とか、「写真撮っといてん」とか、めちゃくちゃ言われます。一日中撮影会。
今の子供や学生は、写真撮られ慣れているんだろうなあ。
私は基本的に写真を撮られるのが苦手です。
ヘラヘラニヤニヤしてたり目つきが怖かったり、写真の中の自分に、うわっと思う。たまに、もしやこれが日常…?と信じたくない角度の写真があると、見なかったことにする。
「写真に写る自分(なのか本人なのか)が残念なもの」だと思っているのは、多分少数派ではないはずで、私は、それが一定数いる最後の世代だと思います。
私たち(30歳前半)以上の世代にも、フォトショなどで加工を上手にする人はたくさんいるけれど、私たち以下の子の、写真のきれいさよ。盛る上手さよ。
写真の中の自分を「まじかこんな感じかやだな〜」と笑って、あきらめたり受け入れたりする世代と、「うわ、全然盛れてないやん」って加工がどんどん上手になる世代。狭間を生きて、見事に取り残されています。世代だけじゃなくて、性格の差もあるだろうけど。
ただでさえ、元々人の顔の見分けがつかないのに、若い子の写真が、加工によってますます同じ顔に見える。「かわいい子」と紹介されても、全員可愛い。分からない。
人物だけでなく、写真そのものに縁遠い。インスタを見ていると、みんな綺麗にとるなあ~とびっくりします。
母や祖母の昔のアルバムを見ていると、変なタイミングでシャッターを切られたものがたくさんあって、ほんの数枚、たまにすごくいい写真があります。ゲラゲラ笑って、少ししんみりする。私は、自分の変な写真も、長女や次女が大人になって笑ってくれれば楽しいなと思うし(他人に笑われたらちょっと辛いけど)、これが写真の醍醐味だと思っているけど、時代遅れなんだろうなあ。
私の成人式の写真なんて、ピークで太っていて顔パンパンで、ギャルに施されたメイクで目の周り真っ黒で、母から受け継いだ演歌歌手みたいなふりそでで、写真館で緊張してて、思いのこもったもののはずなのに、もう笑える要素しかない。
そんな写真、なくなっていくんだろうなあ。
高校生の長女や次女に、40代の私を上手に加工されて、どこぞの美魔女モデルみたいな写真が後世に残っていくのかな…。写真技術が発達した背景を思うと、不思議な気持ちになります。まるで江戸時代のお侍さんの肖像画を見るように、「この人、ほんとはどんな顔してたんだろうね。」なんて会話が当たり前になって、それはそれでおもしろいんだろうか。
長女に写真を撮るよう指示される日常で、ふとそんなことを考えるのでした。