赤ちゃん返りなく、次女を割とすんなり受け入れた長女ですが、産院のことだけは、かたくなに「次女が生まれた病院」ではなく、「お母さんが入院した病院」といいます。
お腹がどんどん大きくなって、中に赤ちゃんがいて、もうすぐ生まれる、ということは分かっていて、「赤ちゃん生まれるときは、お父さんとおっきーばーばとお留守番」ということも伝えてはいたけれど、朝起きて突然母がいなくて、よほどの衝撃だったようです。朝ごはんを食べたらケロッとしていたらしいけど。
夜中の12時前に破水に気が付いて、病院へ行く準備を整えてから、最後に「お母さん頑張ってくるからね、ちゃんと帰ってくるからね、待っててね。」と寝ている長女を無理やり抱きしめました。涙がにじんだ私とは違い、長女は、廊下からもれた光がまぶしかったのか、眉をしかめて迷惑そうな顔をして、そのまま眠っていました。
翌日無事に次女が生まれて、しばらくして長女が分娩室に入ってきました。第一声は、「赤ちゃんどうやってでてきたん?」でした。不安な感じではなく、ただただ不思議そうでした。
それからの入院期間も、朝だけ「お母さん」と泣いていたそうです。
3歳前の出来事を6カ月経っても忘れられないって、そりゃ、不安だったんだろうなあ。
ほんと、よく頑張りました。
今日、その産院に隣接している小児科へ行ったのですが、いつも通りの回想のあと、「お母さんが入院してたところの、エレベーターおりたところにあったミッキーの魔法使いの絵を見に行きたい」と言い出しました。
絵の位置まで覚えているなんて…
「次女ちゃんのお風邪が赤ちゃんや妊婦さんにうったら大変だから、今日はいけないのよ。またいつか、みんなが元気な時にね。」と約束しました。
長女の、朝の悲しい気持ちを癒してくれたミッキーの絵。なんで病院の中であそこだけ、あえてのミッキーなのか、少し分かる気がします。
きっと、たくさんの「上の子」の心を、癒してきたんだろうなぁ。
私と長女の、「忘れられない」が詰まった場所です。